アコースティック楽器の生音にアナログのリバーブを追加する『natu-reverb(ナチュリバーブ)』。
DIYの腕に自信のある方なら、自作を考えるのではないでしょうか?
この記事では、natu-reverbは自作しても問題ないのか、自作は可能なのか、自作した場合の効果や注意点について解説いたします。
▼ナチュリバーブ(natu-reverb)とは何か?
ナチュリバーブは、電源やピックアップなどを必要とせず、ギターのサウンドホールに取り付けるだけでスプリングリバーブの効果が得られるアイテムです。
2022年3月に登場し、日本の新しいメーカーLogic Waveが特許を取得しています。
電気を一切使わず、正真正銘のアナログサウンドのため、とても自然なリバーブサウンドが得られます。
また、ピックアップのような加工が不要なため、取り外しや位置調整が容易で、リバーブの量や質を簡単に変えられることができます。
特許取得済みの新技術のため、他に類似品がないことも特徴です。
▼natu-reverbの仕組み
natu-reverbの原理は、ギターの表面板の振動をバネに伝え、バネで発生する振動を再びギターにフィードバックするというものです。
昔のギターアンプなどに内蔵されていたスプリングリバーブを連想する方も多いと思いますが、原理は異なります。
アンプ内蔵のスプリングリバーブは電気信号の遅延を利用するものでしたが、natu-reverbは物理的に振動をギターにフィードバックするものです。
▼自作しても問題はない?
結論から言うと、おすすめできるものではありません。
個人利用を目的にした自作自体は問題なしですが、どこまでがOKでどこからがNGなのかの判断が個人では難しく、リスクが大きいです。
■ 権利問題
ナチュリバーブは特許取得済の商品です。また、商標登録済でもあります。
楽器に直接つける自作スプリングリバーブを販売することはもちろん特許侵害に当たりますが、自作リバーブを取り付けた楽器をフリマなどで売ることも権利侵害につながります。
また、たとえ見た目や構造が違うものであったとしても、リバーブ発生の原理に類似点があれば、特許侵害になる場合もあります。
そのほか、思いがけず間接的に権利を侵害してしまうこともあり得ます。知的財産権のルールは非常に複雑ですが、「知らなかった」では済まない場合もありますのでご注意ください。
■ リバーブ効果
一見簡単に見えるnatu-reverbの構造ですが、リバーブという繊細なアウトプットを生み出すための『絶妙なバランス』で成り立っています。
この絶妙なバランスを成立させるため、開発者は無数の試作品をテストしています。6本のバネは全てバラバラの種類となっており、素材や巻数、サイズなどが市販のものとは異なります。また、バネ以外の構造や仕様もバネと同じくらいリバーブの品質に影響があります。
Martinのギターと同じ形のギターを作ってもMartinの音にはならないのと同じように、DIYでnatu-reverbを作っても同様のリバーブ効果を得られることはないでしょう。
DIYを楽しむという名目で自作するであれば良いかもしれませんが、本物と同等の効果を求めて作るのは、費用的な面でも労力的な面でもおすすめしません。