弦楽器の演奏者にとって「リバーブ」への憧れは尽きることがありません。
リバーブがない状態での演奏と、リバーブがある状態での演奏では、弾き心地が大きく異なります。
一度コンサートホールのリバーブの心地よさを知ってしまうと、自宅でもその音を再現しようとする方も多いのではないでしょうか。
今回は「リバーブ」の仕組みとその効果、上手な活用の仕方をわかりやすく解説します。
▼リバーブの仕組みと印象
まずはリバーブの説明をします。
# 連続的な音の跳ね返り
リバーブは、音源が周囲の物体に反射し、跳ね返った音の波が模様のように重なり、連続したように聴こえる現象により実現されています。
具体的には、音源から直接聴こえる音と、反射した音が重なり合って、新たな音が生まれることにより、残響や自然な音像を演出することができます。
# 空間の広がりを連想させる
リバーブをかけることで、空間が拡がるような感覚が得られるのは、反射した音の数や、反射した音が聴こえるまでの時間差による影響によるものです。
音源が周囲の物体に反射すると、反射した音が複数生じ、それらの音が重なり合って新たな音が生まれます。これにより、音源から直接聴こえる音に加え、反射した音が聴こえることにより、空間全体に音が広がるような感覚が得られます。
また、反射した音が聴こえるまでの時間差も影響しています。音源から直接聴こえる音に対して、反射した音が遅れて聴こえることにより、音源から遠く離れた空間を演出するような感覚が得られます。
これらの要素により、空間が拡がるような音響効果を演出することができ、リバーブをかけることで、より自然でリアルな音響環境を作り出すことができるのです。
# 空間を支配している気分に浸れる
リバーブをかけることで、空間を支配しているような感覚になるのは、心理的には聴覚による空間認知に関わっていると考えられます。
聴覚は、空間を捉えるために重要な役割を担っています。音源から直接聴こえる音に加え、反射した音も聴こえることにより、空間全体が音で満たされるような感覚を得ることができます。
また、反射した音が遅れて聴こえることにより、音源から遠く離れた空間を演出するような感覚を得ることができます。これにより、空間が広がっているような印象を得ることができます。
さらに、音量や音質、音の持続時間などを調整することで、様々な空間を演出することができます。その結果、リバーブをかけることで、空間を支配しているような感覚を得ることができると考えられます。
▼リバーブの効果と活用される場面
次にリバーブの効果が発揮される場面や、その効果を説明します。
# 重要な場面で効果的にアピールする
リバーブは空間を演出することができるため、話し手が話している空間によって、違った印象を与えることができます。例えば、大きな空間での会話では、声が広がり、話し手が話していることが強く印象づけられます。
リバーブはまた、話し手の話し方によっても異なる印象を与えることができます。例えば、話し手が深刻なトーンで話す場合、リバーブはそのトーンを強調することができ、聞き手にとっても重要なことだと印象づけることができます。
これらの効果により、重要なことを伝える場面でリバーブを使用することで、話し手の声をより明瞭に聞こえ、空間を演出することで話し手の話し方を強調することができ、聞き手にとって重要なことだと印象づけることができると考えられます。
これらの効果により、コミュニケーションがより効果的になり、話し手の意図をより正確に伝えることができる可能性があります。
# 大きな空間を連想させる
リバーブは音響学的には、音が物体や壁などに反射することで発生する音響効果です。
音が反射するため、空間が大きければ、より多くの音が反射し、より多くのリバーブ音が発生します。
その結果、空間が大きいと考えられるような効果を得ることができます。
特に大きな空間での演奏や演劇などでは、音が広がるような印象を与えるため、リバーブを使用することで、空間をより演出することができます。
# 音の印象をソフトにする
音に対してリバーブを加えることは、音がより柔らかく滑らかな印象になることがあります。
それは、リバーブは音に時間的な遅れを生じさせることにより、音の波形がより柔らかく滑らかになるためです。
また、リバーブは音を空間に展開することにより、音がより広がりを持って聴こえるようになり、音がより柔らかくなると感じることができます。
音がより柔らかくなった印象が出るため、特に楽器の演奏や歌唱などでは、リバーブを使用して音をより自然にすることができることがあります。
▼ギターにリバーブを加える方法
次にギターの音にリバーブをかける方法をわかりやすく解説します。
# アンプから出る音にリバーブをかける
ギターアンプから出る音にリバーブをかけるには、次のような方法があります。
- ギターアンプに内蔵されたリバーブ機能を使用する。
- ギターアンプに外部のリバーブペダルを接続する。
- ギターアンプの出力を録音機器に出力し、録音後に編集ソフトウェアでリバーブをかける。
1.内蔵リバーブ 多くのギターアンプには、内蔵のリバーブ機能があります。この機能を使用することで、アンプから出る音にリバーブをかけることができます。
2.リバーブペダル リバーブペダルを接続することで、アンプから出る音にリバーブをかけることができます。リバーブペダルは、様々なタイプのリバーブをかけることができるので、好みに合ったリバーブをかけることができます。
3.録音機器に出力し、編集ソフトでリバーブをかける アンプから出力した音を録音機器に録音し、編集ソフトでリバーブをかけることで、音にリバーブをかけることができます。
これらはそれぞれメリット・デメリットがあるので、自分の使いやすい方法を見つけることが重要です。
# リバーブのかかる空間で演奏する
リバーブは、音をより大きく、深く、温かく感じさせる効果があります。また、空間の拡がりを連想させることで、音楽を聴く者に対して空間感を与える効果があります。これらの効果を活かしたい場合には、リバーブのかかる空間で演奏することが有効です。
リバーブのかかる空間は、音響の設計が工夫されている建物、特にコンサートホールやオペラハウス、教会などです。また、音響の設計が工夫されたスタジオなどでも、リバーブをかけることができます。
# 部屋でも生音にリバーブをかける
ギターを演奏する時間が一番長いのは、ステージでもコンサートホールでもなく、自宅の部屋です。
自宅での演奏の際、リバーブがかかっているととても気持ちの良いものです。
しかし、リバーブをかけるのに外部のエフェクターやアンプに接続するのは非常に手間ですし、部屋の事情によっては騒音問題になる可能性もあります。
できれば生音に直接リバーブをかけて、手軽にリバーブの加わった豊かなサウンドを楽しみたいものです。