エフェクターは、音を変えるものだという印象があるかもしれません。
確かに、エレキギター用のエフェクターの中にはあたかも別の楽器の音のようにしてしまうものもあります。
一方で、エフェクターの中には派手な変化を生まないものの、音質を向上させたり表現力を向上したりするものもあります。
アコースティックギターやエレアコで使われるエフェクターは、どちらかというと表現力を向上する目的で使われることが多いです。
では、実際にアコースティックギターのエフェクターにはどのような種類があるのでしょうか?
また、エレキギター用のエフェクターとは違いがあるのでしょうか?
この記事ではアコースティックギター用のエフェクターの種類と活用法について、わかりやすく解説します。
▼アコギで使われるエフェクターの種類
アコースティックギターやエレアコで使われるエフェクターには、主に以下の種類があります。
音を整えるプリアンプ、コンプレッサー、それから空間系エフェクトのリバーブ、ディレイ、コーラスに分類できます。
# プリアンプ
アコースティックギターのピックアップからの信号を増幅し、音質を調整するエフェクターです。アンプに直接つなぐ場合や、PAシステムにつなぐ場合に必要です。プリアンプには、ギターのボディタイプや材質に合わせて音色を最適化する機能や、ハウリングを防ぐ機能などが搭載されているものが多くあります。
# コンプレッサー
アコースティックギターの音量のばらつきを抑え、安定感のあるサウンドにするエフェクターです。コードストロークと単音リードの音量バランスをとったり、アタックやサスティーンを調整したりすることができます。
# リバーブ
アコースティックギターの音に残響を付加して、艶やかで大きなサウンドにするエフェクターです。部屋の大きさや残響時間を調整することができます。
# ディレイ
アコースティックギターの音にエコーを付加して、広がりや奥行きのあるサウンドにするエフェクターです。エコーの回数や時間、音量を調整することができます。
# コーラス
微妙にピッチのずれた音を付加して、複数のギターが同時に演奏しているようなサウンドにするエフェクターです。コーラスの深さや速さ、音量を調整することができます。
▼エレキギター用エフェクターとの違い
楽器店などを訪れたとき、目に入るエフェクターのほとんどはエレキギターのものであることが多いです。
どちらかというとアコースティックギター用のエフェクターは数が少なく、選択肢が少ないかもしれません。
そのため、中にはエレキギター用のエフェクターをアコースティックギターにつなぐ人もいます。
実際、どのような違いがあるのでしょうか。
# エレキギター用とアコギ用の違い
第一に、搭載されているエフェクターの違いがあります。
アコースティックギターではエレキギターのように音を歪ませる必要があまりないため、オーバードライブやディストーションのような歪み系エフェクトは搭載されていないことが多いです。
次に、回路設計の違いがあります。
アコギ用エフェクターは、アコギの広い帯域に対応できるように、設計や回路が最適化されています。
# エレキギター用エフェクターを使っても問題ない?
アコースティックギターをエレキギター用エフェクターに繋いだとしても、大きな問題があるわけではありません。
ただし、エフェクターによっては音質が損なわれたり、ハウリングが起こったりするケースもあるため、自分の耳で判断すると良いでしょう。
特に、歪み系エフェクターをアコースティックギターで使う場合は、ハウリングする可能性が高いため注意が必要です。
ただし、例えばelectro harmonix社のエフェクターのように、エレキギター用エフェクターには派手な効果を生むものがあります。
そのようなエフェクターをアコースティックギターに繋ぐと、個性的なサウンドを得られるため、一度は試してみても良いかもしれません。
▼結局はどんな音が欲しいか
エレキギターではなくアコースティックギターを選んでいるわけですから、基本的にはアコースティックギター特有の魅力を引き出す目的でエフェクターを使うことが多いでしょう。
ただ、どんな音を魅力的に感じるかは人によって異なるため、結局は自分自身がどんな音を欲しているかが重要になってきます。
# コーラスやディレイは必要ない?
一般的には、生のアコースティックギターの音を良い形で再現する、あるいは高級なアコースティックギターの生音を再現する目的でエフェクターを使う場合が多いでしょう。そのような目的では、コーラスやディレイはあまり必要ないかもしれません。
特にコーラスについては、かければかけるほど、アコースティックギターというよりエレキギターのようなサウンドになりがちです。
# 鍵は軽いコンプレッサーとリバーブ
自然なアコースティックギターの音を目指すのであれば、最低限の音の整形のためのコンプレッサーと、空間的な広がりを与えるリバーブだけで十分かもしれません。
特にリバーブがあるかないかで、アコースティックギターの演奏の印象は随分代わります。
良いリバーブが効いた音を聞くと、まるで幻想的な大きな空間に誘い込まれたような気分になります。